さらばPHS

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ついに発表されてしまいました。DDIポケットウィルコム、そして現在のワイモバイルがサービスを行っていたPHSが、2020年7月に終了するとのことです。

思えば自分が大学に入学したときに契約したDDIポケット。色々な革新的なサービス、端末が大手キャリアより先に体験できるとても面白いキャリアでした。特にKDDIグループから独立したウィルコム時代が一番面白かった。親会社KDDIという縛りが無くなり、大手キャリアにはないサービスを次々にリリースしていました。

データ通信の使い放題サービス「AirH"(AIR-EDGE)」、フルブラウザ搭載の「AirH"Phone」、 国内スマートフォンの先駆け「W-ZERO3」などなど。同キャリア同士の通話無料サービスを最初に導入したのもウィルコムですし、さらにそれを他キャリアや固定電話への通話にも広げた「だれとでも定額」もウィルコムが最初でした。今では当たり前のサービスも、ウィルコムが仕掛けた後に大手キャリアが追随する、ということが多く、携帯電話の進化に貢献したキャリアだと贔屓目なしに思います。経営破綻せずに今もウィルコムが続いていたら、大手キャリアの談合紛いの現状に風穴を開けて、もっと日本の携帯電話は安くなっていたのではないかな、と、、。

通話品質がよく、かつ混雑に強いというのもPHSの売りでした。PHSは低出力なので1本の基地局でカバーできるエリアが狭かったのです。これが初期の「PHSは繋がりにくい」というイメージとなってしまうのですが、DDIポケットウィルコムは根気よく基地局を設置し、エリアを広げていきました。

繁華街で周りを見回すと、

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どこかしらのビルにこんなものがないでしょうか?これがウィルコム基地局です(画像はWikipediaより引用しました) 

携帯電話は1つの基地局でカバーできるエリアが多い半面、大晦日や災害時など通話が集中した時、1つの基地局に接続が集中してしまい繋がりにくくなります。一方PHSは1つの基地局に接続が集中すると近隣の基地局がカバーする仕組みになっているので通話が集中しても繋がりやすいのです。

この優位性が発揮されたのは東日本大震災でした。携帯電話が全く繋がらない中、PHSだけが繋がりました。実家、妻もPHSを持っていたので、すぐに安否確認が取れました。ただ、残念ながらソフトバンクグループのワイモバイルになってからは、アンテナが統廃合されてしまい、どんどん繋がりが悪くなってしまいましたが、、、。

また、低出力というと弱点のようですが、医療機器に影響を与えにくいということで病院内で使われたり、電池の持ちが良いという強みにもなりました。

 

PHS終了まであと2年。最後まで使い続けたいという気持ちもありますが、だんだん繋がりにくくなってきた(ブースターを使っても、家の中で電波が悪いところがある、、)ことと、自分が好きだったPHSウィルコムのものであり、ワイモバイルにはまったく思い入れもないので、070の番号をmineoにMNPで移して、PHSに別れを告げようと思います。

 ありがとうPHS。使っていて本当に楽しかったです。