聖の青春

一度読みたいと思って買っていて、そのまま読まずに積まれていた本がありました。

子供の頃に難病を患い、筆舌に尽くしがたい闘病生活の中、29歳でA級棋士のまま早世された村山聖さんの生涯を記した「聖の青春」です。

普段小説を読まない自分がこの小説を買ったきっかけは将棋漫画「3月のライオン」でした。この中の登場人物である二階堂晴信くんは村山さんがモデルと言われています。また、この漫画を監修されている先崎学九段も村山さんとは親交が深かったようです。

村山さんのご家族、そして親同然であった師匠の森信雄七段*1、同僚でありライバルである棋士の皆さんがいかにこの人を愛していたか。無償の愛とも言えるものがこの小説には描かれていました。

自分も4歳の子供がいます。村山さんの様に命を蝕まれる病気ではありませんが、自閉症スペクトラムという先天性の病気を持っています。

自閉症スペクトラムは完全に治る病気ではありません。でも幼児期から療育教室に通わせたりすることで、症状を最低限に抑えて社会に出て辛い目に会わないようにすることは出来る病気です。

自分が息子に対してこれから何が出来るのか。後に後悔しないようにやれることはやらないといけないと考えさせられた一冊でした。

*1:2017年引退