Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏退任

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街の本屋が無くなる、、、では済まなかった黒船

本の通販事業から始まったAmazonだが、その後取扱商品は爆発的に増え、電子書籍、サブスクリプション、クラウドサービスなどで多くのシェアを占めるようになった。そのAmazonを四半世紀で超巨大企業に育てたジェフ・ベゾス氏がCEOを退任する。

日本に進出したときは「街の本屋が無くなる」と出版業界のみが恐れたAmazonだったが、まさかここまで多角的に拡大し、家電量販店やら音楽配信サービス、クラウドサーバ市場などを駆逐するサービスになるとは誰も想像できなかったのではないか。

 

もはやAmazonの無い世界には戻れない

そういう自分も、Amazonでは本以外のあらゆるものを購入。Kindleを使い、Amazon Echoで天気を調べ音楽を聞いている。このブログで紹介した商品が売れるとAmazonからアフェリエイトが振り込まれる。もはやAmazonの無い生活は考えられないところまで来ている。

 

なぜ日本はAmazonを作れなかったのか

少なくとも出版分野に関しては、大手出版社と取次大手である日販あたりが音頭をとれば対抗できるサービスは提供できた可能性があった。ただ、街の書店の反発を受けてまでの大ナタを振るう事は出来ず、Amazonの寡占を許した。大量の街の書店が姿を消すというのは変わらなかったにもかかわらずだ。

電子書籍についても同様。大手出版社の連携が出来ず、iTunesに寡占を許した音楽業界の二の轍を踏んだ。出来れば国産サービスを使いたい気持ちはあるのだが、相次ぐ電子書籍サービスの撤退から「Kindle以外は信用できない」というのが本音だ。これは自分もこのブログで再三書いたが、電子書籍サービスが破綻したときにユーザーが不利益を被らないようにルールや団体を作れなかったことが一因だろう。

 

Amazonが次に狙う業界は?

北米では既にオンライン薬局の会社を買収し、処方薬市場への進出を進めている。また、物流、生鮮食品、オンライン決済などにも攻勢を強めてくるだろうし、保険にも関心を示していると言われている。

有料会員(アマゾンプライム)だけでも世界で2億人、無料会員がどれくらいいるかのデータが見つからなかったが、莫大な数のユーザーを抱え、そのユーザーアカウントには既にクレジットカードが紐付いている。1クリックで買い物が出来る仕組みも元々はAmazonの特許だ。

それらの業界はAmazonに抵抗するのか、サービスの窓口となり軍門に下るのか。過去の慣習や大手同士の主導権争いにとらわれていたら、出版業界と同じ道を辿ることになりそうだ。